ゴールデンウィークは2連休。5月病ってなんですか。
真夜中の思考回路。お仕事のこと。


連休中は手術も無いので病棟も落ち着いていて、そんなときこそコミュニケーション!と思い、できるだけ患者さんと話すようにしてみた。


余命を宣告された、60代の患者さん。あたしは今まで、こういう患者さんと何人も関わってきたけれど、彼ほど現実を受け止めている人を見たことがない。今まで見てきた人たちは、どちらかというと受け入れられていない人が多かったから。元警察官という職業柄もあるかもしれない。冷静で、ちょっと頑固。自分の死後にかかる経済的な段取りも着々と行っている。そして何よりも家族を一番に想っていて、「おっかさんには迷惑かけたくないからさ」が口癖。「ほんとは自宅で死ぬのが理想だけど、そうすると(他 殺を疑って)警察が家 宅捜 索したりするから家族に迷惑かけちゃうんだよな。だから俺はこの病院で死ぬよ。」なんて言う。段々ごはんも食べられなくなっていて、息をするのも苦しそうで。それでも家族のことや昔の仕事のことを話すときにちょっとだけ見せる笑顔がとっても素敵で。


いつもいつも思う。自分に何ができるんだろう、と。
平均寿命が延びて、医療も発達して、それでも手の施しようがないという事実。60代なんて、まだまだ第2の人生を謳歌できる年齢なのに。家族にも友人にも愛されて大切にされて、やりたいこともいっぱいあるのに。どうしてこの人なんだろう。



仕事中は笑顔で乗り切った。家に着いて写真立ての中のばあちゃんの笑顔を見ていたら、とめどない涙があふれた。